73P(シュワスマン・ワハマン)彗星?【4月30日撮影】
73P(シュワスマン・ワハマン)彗星?【4月30日撮影】
距離は近くとも淡く小さく
今月(5月)中旬に地球の至近距離を通り過ぎていく短周期彗星の73P/Schwassmann-Wachmann第3彗星ですが、彗星核が次々と分裂して大変なことになっていますね。当初、C核・B核・G核の「3兄弟」として天球を飾るはずだったのですが、最新ニュースによると核が30個以上に分裂してしまったらしいのです。
まるで木星に衝突する前のシューメーカー・レビー第9彗星のような「編隊飛行」状態です。ここまで分裂されると、もはやそれぞれの核は小さく、ショボくなってしまうことが懸念されます。せっかくの肉眼彗星が、急にカルピスを10倍に薄めて飲むような状態になりました。もし73Pが単一の彗星のままだったら、1996年の百武彗星のような素晴らしいマイナス等級の大彗星に成長していたことでしょう。何せ、今回の73Pの最接近距離は、尾が夜空の3分の2を占めたと言われる百武彗星よりも更に地球に近づくんですから。大迫力だった百武彗星の超接近は貴重だったんだなぁ、と今更ながら感慨深く思い出されます。
M13? |
73P(SW彗星)のC核だと思ったのですが念の為ステラナビゲータで位置を調べると、どう見てもこれはヘルクレス座一番の観光名所、「北天一美しい」球状星団M13です。
もし球状星団に彗星が重なっているとしたら、それは祭りに近いのできっと違うでしょう。
核分裂が起こった影響で軌道が若干変わったのでしょうか? 当初の位置予報にはC核は見当たりません。
もし球状星団に彗星が重なっているとしたら、それは祭りに近いのできっと違うでしょう。
核分裂が起こった影響で軌道が若干変わったのでしょうか? 当初の位置予報にはC核は見当たりません。
かんむり座に分裂核? |
よく判らない分裂核の位置
Astroarts社HPの最新の投稿ギャラリーを見ると、西隣のかんむり座に2つの分裂核がいる様子がわかります。最新の星図上の分裂核の位置を見ても、BとGがかんむり座に並んでいるはずですが、この私の画像では彗星状天体は確認できません。なにせ市街地の空で1分弱の露出によるノーガイド撮影ですので仕方ありません。この中にいくつか小さい彗星が潜んでいるのかもしれません。30個近い分裂核のほとんどは消えかけているはずで、30数個の彗星の群れが容易に星野写真で写せるわけではないにしろ、最低2個の分裂核(彗星)が集まっている光景を写真に撮るチャンス到来ですね。今回のチャンスを生かし2004年のニート&リニア彗星同時接近で叶わなかった複数彗星同時撮影をぜひともやってみたいものです。
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p2k6◇コメット魂
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