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部分月食【9月8日撮影】

部分月食【9月8日撮影】
今日(9月8日)未明、全国で部分月食が見られました。去年10月17日以来、11ヵ月ぶりの月食です。月食とは地球の影の中に月が入り込む現象です。地球の影の中にすっぽり入り込むと「皆既月食」になるのですが、今回の月食は部分的に隠されるだけの「部分月食」というタイプです。

九州では雲一つない素晴らしい快晴の空の下、半影食の始まりから部分月食、復円して月が沈むまでの間、最高の条件で見ることができました。幸運にもシーイングにも恵まれ、そして(九州は日本の西の端なので)月の高度にも恵まれ、大気の影響もほとんど受けずシャープな月食写真を得ることができました。たくさん撮ると画像処理にウンザリしますが、早速処理の終わった月食写真をご紹介しましょう。


部分月食

最大食分の頃(3時48分)
イメージ 1
撮影日時 : 2006年9月8日 03:48
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ニコン D70
露出時間 : 1/400秒
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
撮影方法 : 直焦点撮影
※RegiStax Ver.3にて、連写した5コマをスタック後、ウェーブレット変換処理

今回の部分月食の撮影時には露出時間の選択に悩みました。地球の影の周り「欠け際」を描出するためには、光っている部分が白飛びせざるを得ません。いずれにせよ、グラデーションの階調を滑らかに表現しなければならないので、S/N比向上のために5コマスタックしたのです。通常、スタック→ウェーブレット変換処理は惑星や星雲などに使用する技法ですが、去年の部分月食の際もこのやり方で美しい画像を得られたので、今回も行ってみました。


最大食分の頃

本影の中は赤銅色
イメージ 2
撮影日時 : 2006年9月8日 03:46
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ニコン D70
露出時間 : 1/5秒
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
撮影方法 : 直焦点撮影
Photoshop-E.にて画像処理

この画像は、1枚目と同じ構図ですが露出時間を長く設定して撮影したものです。見てお判りの通り、地球の影に隠されている部分は全く見えないのではなく、うっすらと赤っぽく鈍く輝いているのです。これは太陽光が地球の大気を通り抜けて届いた色です。皆既月食の時には月全体がこの「赤銅色」に染まり、幻想的な光景になります。今回は部分月食でしたが、このような影の中の赤っぽい色を見ることができました。


月食が終わり復円した月は十五夜ムード

月とススキと薄明の空
イメージ 3
撮影日時 : 2006年9月8日 05:26
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ニコン COOLPIX995
露出時間 : 4.00秒
レンズF値 : F4.0
撮影方法 : 固定撮影
Photoshop-E.にて画像処理

月食が終わって半影月食状態の月です。月の右下部分が薄暗くなっているのですが、露光が長く白飛びして判りにくいです。この画像撮影時、ススキに気付かず、撮影後に取り込んで月のすぐ傍にススキが写っているのが判り、意図せぬ十五夜的な写真になりました。団子が入ればなおよし。ちなみに、1997年9月17日の十五夜皆既月食になりました。

月食の経過写真や、多段階露光の写真などは画像処理が済み次第、追って掲載します(お楽しみに)。

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p2k6◇月食オタク

開始日: 2005/2/9(水)