17P【10月27日撮影】
17P【10月27日撮影】
10月24日夜に大バーストを起こし突然肉眼彗星になった短周期彗星の17P・ホームズ彗星。Pの付く彗星なので昔から頻繁に回帰しているはずですがあまり耳馴染みのない彗星です。私も今まで一度も見たこともありませんし、通常ですと望遠鏡を使っても見ることのできない暗さだったのでしょう。それが短時間の間に17等級から2等級まで急増光したというのです。一晩での急変貌に大バーストの凄まじさを実感すると共に、もっと地球に近ければさらにとてつもない明るさになっただろうにと悔やまれます。
昨日26日、この第一報を知り、今朝早速撮影してみましたのでご紹介しましょう。
現在、同彗星は目立たない星座のペルセウス座にいます。つまり同彗星を見つけるにはペルセウス座を見つければよいのですが、あいにく今夜は満月(月齢15)の強烈な光がありました。その為、月光の影響で空全体が明るく、しかもペルセウス座は月にも近いので星座を見つけるのは困難でした。彗星は肉眼ではっきりと見えるはずですが、面倒臭いので捜すのを断念し、カメラのレンズを北西中天方向に向けて彗星を写真でキャッチしてみました。
画像に星座線を加えてペルセウス座を構成する恒星を結んでいくと、ご覧の通り1つだけ線に結ばれない明るい星が残りました。そう、これこそ大バーストを起こしたホームズ彗星なのです。通常、彗星は青緑色にぼんやりと輝き、輪郭がはっきりしないのですが、今回は遠くで大バーストを起こしただけあり尾も伴わず「恒星状」です。つまり、普通の星と同じように点に写りました。
周辺の恒星と明るさを比較 |
1枚目の強トリミング
ホームズ彗星の部分をトリミングし、『ステラナビゲータ』で調べた周辺の恒星の光度を記入しました。カメラボディを手すりに寝かせて空に向けて撮影したのですが、置き場が平らではなかったためか露光中に少々ブレ、星像はあまりシャープではありません。しかし画像処理は控えめにしているのでそれぞれの明るさを比較しやすいかと思います。こうすることで、10月27日未明現在での同彗星の明るさが推定できるかと思います。ペルセウス座α星(1.7等)よりはやや暗く、δ星(3.0等)よりは明るい。よって、今夜の彗星は2等級を維持していたものと思われます。
彗星の色にも注目です。周りの恒星と比べてやや緑色っぽいですね。写りは恒星状ながらも、彗星特有の色が出ています。
--
--