【直焦】望遠鏡で撮った月 part3
【直焦】望遠鏡で撮った月 part3
さて、ふと気が付けば今月は月齢ごとの直焦撮影による月の画像をお届けしていますね。
本日ご紹介するのは昨夜ニコンD70とR200鏡筒で撮影した月です。ついに月齢12、ここまで太りました。今回の画像では、ニコンD70で11枚連写し、それを「RegiStax」でスタック&ウェーブレット変換処理しました。
通常、RegiStaxは惑星動画や月面クレーターの部分拡大の動画のスタックで活躍するフリーウェアです。だというのに、今回の素材はデジカメの生の600万画素(3008×2000pix)と非常に大きな画像11枚です。2.40GHzの私のパソコンでも、処理が重くなってしまい、アプリケーションがフリーズしてしまいました。さらに、追尾無しで撮った11枚なので、日周運動で各コマでズレが生じ、アライメントに失敗するという壁にブチ当たりました。
そこで、手間はかかりますがPhotoShopで月部分(およそ幅1000pix程です)をトリミングし、11枚のレイヤーに収め、それぞれBMPに切り出した上で再度危難の海の右隣にある明るいクレーターでアライメントすると、今度は成功しました。
トーンカーブ補正で月の海の暗さを強調
今回の画像処理での工夫点は、海の暗さを強調したところです。例えば火星の画像処理では、淡い表面模様をトーンカーブ調整で強調するのが「火星を魅せる」方法として普通になりつつあります。ですので、月面の海も同様に「魅せる画像処理」として、トーンカーブで暗さを強調するアプローチが考えられます。こうすることによりコントラストが高くなり、月面の立体感が沸きます。↑このように、月の海の含まれるレベルだけを下げれば、欠け際が暗くなり過ぎずに海を暗くすることができます。
但し、あまりにも曲線が急になると、階調が不自然になりますので、やり過ぎには注意が必要です。
どうやら光軸が合っていない?
特に月の北東部(画面左下)の輪郭はタブッています。先日ご紹介したもう少し月齢の若い月でも同様にダブッていました。これは恐らく、私の反射鏡の光軸がズレているものと思われます。とはいえ、面倒臭がりの私の事ですから、光軸の調整を行う気がしません。火星もいよいよ最盛期ですし、火星の為にも早めに光軸の調整をしてしまわねばなりません。
みなさんも、明日の午後8時、月を見るのを忘れないようにしましょう。月の下の部分に地球の影が少しだけ掛かり、欠けた満月が見られます。晴天に恵まれることを祈りたいものです。私は今回ご紹介した昨夜の月と同じように直焦撮影で狙おうと思います。貴重な月食。小規模ですが立派な部分月食ですので、見逃せません。