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火星 【11月7日撮影】

火星 【11月7日撮影】
11月7日 02時43分の火星
10月30日に最接近となり、現在最盛期の火星。視直径はまだ20秒角を維持しています。次回2007年の火星接近時にはここまで大きくならないので、20秒角台の火星が見えている現在は貴重な時期です。これからは加速的に遠ざかっていくので、視直径の大きな火星は11月上旬のうちに見ておきましょう。12月に入る頃には視直径が17秒を割ってしまいます。観望・撮影はお早めに。

イメージ 1
撮影日時 : 2005年11月7日 02時43-45分
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV5mm (ズーミングはDVカメラによる)
撮影方法 : コリメート

※RegiStax2.0.にてビデオ映像各171,150,190フレームをスタック合成&ウェーブレット変換処理
(詳細データは画像中に記載)
Photoshop-E.にて画像処理:上記処理画像3枚コンポジット合成、写野回転&トリミング、レベル調整、ガウスぼかし、アンシャープマスク等

中央経度59度

11月7日の未明、午前2時43分~45分に撮影した火星です。今回は火星が南中を過ぎてまだ充分に高い高度を維持している頃の撮影で、等圧線の間隔も広く大気も安定していたため、シーイングは良好でした。ただし、いつものようにノーガイドのため、スタック用の動画撮影は継続して行えません。さらに、赤経方向のクランプが無いため、火星の導入作業には大変苦労します。そのため、撮影は断続的に3回行い(02:43, 02:44, 02:45)、完成した3枚それぞれを加算平均コンポジットする、という多少ややこしい手順となりました。機材環境が万全ならばここまで苦労せずに済むのですが…。

イメージ 2

今回の火星画像の生成過程です。上の3つの火星画像がRegistaxにて一旦処理済みの画像です。それらをさらにコンポジット合成して、S/N比をさらに向上させました。一番右の火星はズーム率が異なりますので、拡大して左2つとサイズを合わせました。完成画像の総フレーム数を計算すると、511フレームになります。どうでしょう、上の画像よりさらにS/Nが向上し、表面模様がはっきり現れてきたのが判りますね。合成直後の画像ではまだ粒状感が大きかったので、最後にガウスぼかしを軽くかけて模様を滑らかに描出しました。


太陽湖

さて、今回の火星面では「太陽湖」が目立っています。太陽湖は火星面で目玉のような形をした模様です。

イメージ 3

これは2003年の火星接近時に撮った太陽湖の写っている火星です。この時の火星には南極冠の氷が写っていますが、今年の火星の南極には、もう氷が見えません。これは、火星の南半球に夏が到来して溶けたためです。今年もちょっと前まで見えていましたが、もうほとんどなくなってしまい、本日撮影の火星画像では全く確認することができません。


北極の靄

イメージ 1

再び本日の火星画像です。火星の一番下に注目すると、白いものが見えますね。これは極冠にインスパイヤされた偽の氷のようにも見えますが、その正体は実は氷ではなく霧か靄だと思います。2003年の火星でもたびたび見ることができました。今日の火星では一際白く目立っています。

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フォボスダイモスを眼視で見た香具師はネ申 p2k5

開始日: 2005/2/9(水)