【直焦】M42オリオン大星雲 【ノーガイド】
【直焦】M42オリオン大星雲 【ノーガイド】
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<祝> 散光星雲、撮影初成功!
さて、と。火星も随分大きくなってきましたが、今夜は透明度も良く、東の空には昇ったばかりのオリオンが煌びやかに輝いていました。R200SSとSONYのDVカメラで火星の動画撮影を行ったのですが、今夜撮影した火星の画像はまた後程掲載します。さて、今夜のように透明度の高い日は星野写真、そして望遠鏡による星雲・星団の直焦撮影に最適です。そこで、東の空から昇ろうとしている勇者オリオンの XXX(恥) の部分にある全天一華麗な星雲、M42(オリオン座大星雲)をニコンD70の直焦撮影で狙ってみることにしました。
といっても、当ブログでもしょっちゅう述べている通り、私の赤道儀は故障中です。すなわち、追尾(ガイド撮影)できません。通常、星雲・星団はガイド無しでは撮れません。しかし、ISO設定を1600(最大値)まで引き上げ、露光を数秒に抑えることで、赤い散光星雲の色彩は写すことが可能なはず、と、私は無謀にもオリオン大星雲のノーガイド直焦撮影に挑むことにしました。
といっても、当ブログでもしょっちゅう述べている通り、私の赤道儀は故障中です。すなわち、追尾(ガイド撮影)できません。通常、星雲・星団はガイド無しでは撮れません。しかし、ISO設定を1600(最大値)まで引き上げ、露光を数秒に抑えることで、赤い散光星雲の色彩は写すことが可能なはず、と、私は無謀にもオリオン大星雲のノーガイド直焦撮影に挑むことにしました。
D70のレンズは入院中ですが、直焦撮影にはレンズは必要ないのです。望遠鏡がそのまま超・望遠レンズになるのです。つまり、カメラボディをそのまま望遠鏡に取り付けるのです。ここでまたしても白状しますが、D70とR200SS鏡筒はアダプター無しで繋いでいます。通常、直焦撮影にはTリングが必要となりますが、それも持っていないため、反射鏡ゆえの特性を活かして鏡筒接眼部を上向きに回してD70カメラボディを覆い被せるようにして載せました。慎重に載せないと、D70ボディは地面に落下してしまう恐れがあります。シャッターは、専用の赤外線リモコンで行いましたので鏡筒の振動は(F4の直焦だとさほど影響はない)ミラー振動によるブレ程度です。
構図決めは、ファインダーを覗くとカメラが落下する危険があるため、望遠鏡のファインダーのみで合わせて撮影しました。ピント合わせも、テスト撮影を繰り返しながらドローチューブを少しずつ回してピントを追い込みました。
このように無理のある厳しい機材環境ですが、なんとか初の散光星雲の撮影に成功! M42は数ある散光星雲の中で一番明るく、まさに星雲の王様ですので、初めての対象にピッタリなのです。撮影結果を見ると、ほんのりと星雲の赤い(ピンク色の)色が出ています。しかし兼ねてから話題になっているように、ニコンD70に限らず一眼デジカメは赤外カットフィルターの影響で波長652nm(だったか?)以上の赤外線領域の感度が低いのです。そのため、M42の輝く色は四重星「トラペジウム」の放つ青白い光によるものなのか、星雲自体がもともと青っぽく捉えられているのか判断が付きにくい状態です。なお、M42はHⅡ領域ではなくトラペジウムが蜂起星となっている反射星雲だったように記憶しています。M42の色が完全なHα色ではなくピンクに近いのは、その光がHα光ではなく反射光だからでしょうか。しかしトラペジウムだと色はピンクにはならないはずだし、やはりM42はHⅡ領域だったでしょうか? よく判りません。
いずれにせよ、オリオン大星雲を始めとする赤い散光星雲が赤く写りにくい問題に関しては、D70の赤外カットフィルターを外せば一発で解決します。しかし、それを実行してしまうと、すなわち今後の一般撮影を捨てることになります。天体以外の撮影における色合いが赤っぽくなってしまうので、天体専用カメラに割り切る勇気があるのなら自己責任で行いましょう(メーカー保証も受けられなくなります)。
ノーガイドとはいえ、望遠鏡での撮影でも固定撮影で星の軌跡を写すのと同じような作品になります。M42周辺の賑やかな星域を星の線にするのもまた面白いだろうと思い、2枚目の画像では38秒間露出しています。もちろん、ガイドしていないので、日周運動で星が線に写っています。トラペジウムの描く線をM42のぼんやりとした星雲が取り囲むように見えています。4~5等級の恒星の力強い軌跡が印象的です。
というわけで、1993年以来憧れていた(ノーガイドですが)直焦撮影での星雲撮影に初成功した今夜は、また一歩夢(本格的に星雲・星団・系外銀河撮影を行う)に近付いた目出度い夜となりました。
近いうちに故障したGP赤道儀を買い換えようと思っています。
近いうちに故障したGP赤道儀を買い換えようと思っています。