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【直焦】 昼間の月 【月齢8】

【直焦】 昼間の月 【月齢8】

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1枚目:午後4時の月
オリジナル撮影日時 : 2005:04:17 16:48:46
撮影地 : 熊本県熊本市
望遠鏡 : Vixen R200SS (口径200mm 焦点距離800mm)
メーカー名 : NIKON CORPORATION
機種 : NIKON D70
露出時間 : 1/800秒
ISO設定 : 200

PhotoShop-E.にてトリミング・レベル補正・アンシャープマスク

2枚目:午後4時の月(画像処理後)
(1枚目の画像をPhotoShop-E.にてRGB各色レベル調整。)


青空の中の月

さて、皆さんは昼間の月を見たことがありますか。太陽がさんさんと輝いている昼下がりでも、月齢が4~10であれば、青空の中で月を見ることができます。とはいえ、昼間に月が見えている場合でも、三日月や二日月といった極端に細い月の場合の場合は見つけるのが非常に困難となります。なぜなら、太陽に近い上に月の明るさも暗いためです。

そんなわけで、「昼間の月」を見る場合のお勧めは、半月前からやや膨らんだ半月となる月齢6~8程度を狙うといいでしょう。

今日2005年4月17日(日)は月齢8で、上弦の月でした。つまり、日没の頃に月が南中するため、昼~夕方にかけて、青空の中で月が見つけやすいのです。そんなわけで、先ほど撮ってきたのがこの画像です。この記事を投稿直後に読んで下さった皆さんは(晴れているなら)今すぐ空を見て確認してみましょう。こんな形の月が西の空に浮かんでいるはずです。

この画像は、一眼レフデジカメ「D70」を口径20cm反射式望遠鏡「R200SS」と繋げて直焦撮影したものです。つまり、アイピース類は使っていません。接眼部に一眼レフデジカメを押し付けて撮りました。お恥ずかしいながら、私は直焦撮影するためのマウント・アダプターリングを持っていません。そのため、直焦撮影とはいっても「手持ち」です。手持ちによる直焦撮影は、夜間の細い月や惑星、星雲・星団の直焦撮影は手ブレするため不可能です。今回の画像では、明るい昼間の青空を撮ったものなので、露出時間は非常に短い1/800秒で済みました。これは、昼間の日なたを撮影するのと同じ値です。このため、手ブレの心配もなく、「手持ち直焦撮影」ができたわけです。

さて、昼間の月の場合、あまりはっきり見えずやや霞んで見えます。これは、バックグランド(青空)が月面と同じくらいの明るさがあるのと、大気中の塵・水蒸気などが明るく輝いていてコントラストが低下してしまうためです。そのため、昼間の月は冴えないわけです。


「昼間の月」を「夜の月」に変身させる画像処理

とはいえ、そんな味気ない昼間の月でも、強力な画像処理を施すことにより、夜間に撮影した月と見間違うほどコントラストを上げることができます。それが2枚目の画像です。この画像は1枚目の画像をPhotoshopでレベル補正しただけのものです。背景が暗くなり、注釈を入れないと夜の月と見間違ってしまうほどです。ただし、露出値が昼間の青空に合っており1/800秒と非常に短いため、レベル補正して仕上げた「背景の黒い月」の写真は非常にノイズの多い荒れた画像となり、鑑賞するに耐えません。


まとめ

結局、月を良好なS/N比で美しく撮るには、やはり日が暮れてから撮るに限るといえるでしょう。ただし、日中に起こる惑星食(金星食・水星食など)の場合、昼間の撮影を余儀なくされます。その時に備えて、日頃から昼間の月を撮影しておくのも、天体撮影のいい修業になるかもしれませんね。


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赤道儀経緯台として鏡筒を振り回すp2k5

開始日: 2005/2/9(水)