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金星【1月28日撮影】

金星【1月28日撮影】
今朝、望遠鏡で金星を撮影しましたのでご紹介しましょう。

極細の金星

内合を迎えた金星は、1月下旬から明けの明星として見えるようになりました。私も今朝、明けの明星としての金星を初めて見ました。

金星は1月13日に地球に最も近づき内合(新月状態)となりました。現在、金星は内合から2週間しか経っていないため、大変大きく見ることが出来ます。とはいえ、金星の後ろ側から太陽光が差している為、三日月や二日月のように細く欠けており、大きさの実感は沸きにくいものです。

1月28日の金星
イメージ 1
撮影日時 : 2006年1月28日 06時46分
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV10mm (ズーミングはDVカメラによる)
撮影方法 : コリメート

※RegiStax Ver.3にてビデオ映像 357 フレームをスタック合成&ウェーブレット変換、トーンカーブ調整、色収差補正
Photoshop-E.にて処理:縦横比補正、写野回転、トリミング、レベル調整

川底の小石状態の金星

さて、この画像はRegiStaxで357フレームをスタック&ウェーブレット変換して三日月のように細く欠けた金星の形をシャープに描出しています。しかし、内合から間もないため、金星の地平高度が低く、地球大気の影響をモロに受けてDV動画で撮影した金星はグニャグニャと踊っていました。まさに川底の小石を眺めるような状態です。RegiStaxでのアライメント時に良質なフレームだけを選択しようにも全フレームがゆがんでいる為、結局全てのフレームを使用しました。でも、スタックすることにより像の揺らめきが平均化され、このようにきれいな金星の姿が描き出されるのです。なお、低空の惑星の場合は特に色収差がひどいため、今回は多少赤の収差を補正しています。

スタック合成をしただけの(ウェーブレット変換・トーンカーブ調整を行っていない)画像も掲載しておきます。

シャープ処理なしの金星(357フレーム)
イメージ 2
撮影日時は1枚目と同じ
未処理だとこのようにぼやけています。金星は明るいため昼間でも撮影できるので、シンチレーションの影響を受けないためには昼間に撮影したほうが良いでしょう。激しいシンチレーションの影響を受けるとスタックしてもご覧のようにボケボケ画像となっています。

今後の金星の見え方

金星はこれから徐々に地球から遠ざかりながら「半月」、そして「満月」の形へと変化していきます。明けの明星としての空の金星はほとんど同じ明るさのままですが、望遠鏡で見ると少しずつ金星の形が変わっていき、面白いものです。

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p2k6◇金星日

開始日: 2005/2/9(水)