金星・土星の大接近【8月27日撮影】
金星・土星の大接近【8月27日撮影】
今朝は空気の透明度がさほど良好ではなかったため、低空の金星・土星の輝きは大気の影響を受けて赤っぽく見えています。これは朝日が赤く見えるのと同じメカニズムです。もちろん、この金星・土星が縦に並ぶ様子は肉眼ではっきりと見ることができました。ただ、私の場合は近眼なので、金星と土星は分離せず1つの星として見えていました。こんな金星と土星を望遠鏡で拡大すると、それぞれの形が見えてきます。
こちらは望遠鏡にカメラボディを接続して撮影した画像です。金星の丸い形、わっかを持つ土星の姿がよく判ります。金星は「外合」が近いので普段よりやや小さく丸く、ついうっかり「あれ?ガリレオ衛星がどうしても写らない!なんでだ!」と木星と間違ってしまっていた私。丸い形と視直径が木星そのものだったんですね、今朝の金星。
惑星同士の(見かけ上の)接近はよく起こりますが、今回の場合は望遠鏡の視野の中で同時に見ることができました。「2つの惑星を同一視野内に捉える」なんて、私のような天文歴の長い者にとっても夢のような光景でした。月と惑星の大接近、惑星食ならばよく目にするのですが…。
さて、この画像を撮影した頃はすでに空が明るくなっており、ファインダーでも金星が見えなくなるギリギリの状態でした。このため、背景の空は明るく、露出時間を短くせざるを得ませんでした。また、どうしてもピントが正確に合わず、ご覧の通り土星の形はボケており、はっきりと環の形が判りません。
貴重なので全部掲載 |
焦点距離800mmによる直焦点撮影なので、画像上の金星・土星はとても小さくしか写りません。このため、この撮影法では解像度において不利です。そこで、DVカメラを接続してアイピース(接眼レンズ)越しの撮影、「コリメート法」に切り替えて撮ろうとしたのですが、もう5時半には空がほぼ完全に明るくなっており、金星&土星を再導入できず、失敗に終わりました。一度きりの現象なので、土星の環をくっきりと写せなかったのは残念です。また、撮影中は薄雲が影響していたかもしれません。
今朝は家のベランダの周辺ではコウモリがたくさん飛んでいました。そのうちの一匹が、たまたま望遠鏡の視野内に入り込んだものと思われます。撮った後に気付きました。ピントがバッチリだったら素晴らしい3ショットとなったはずですが…。ピント合わせのためのテスト撮影だったので、ひどくピンボケしています。ピンボケした金星に映っている黒いものは、反射式望遠鏡特有の斜鏡支持棒(スパイダー)の影です。
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p2k6◇金土日は休みたいヤッホーブログ
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