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水星の日面通過【11月9日撮影】part2

水星の日面通過【11月9日撮影】part2

ビデオ映像からの画像処理

11月9日に見られた歴史的な天文現象、「水星日面通過」。今まで忙しくて、撮り溜めた写真の画像処理ができませんでしたが、本日は半日がかりでビデオ映像のフレーム群を処理をしていました。ようやく完成したので(もう11日も過ぎてしまいましたが)、水星が太陽の前を通る様子を捉えた画像をご紹介しましょう。

水星と巨大黒点
イメージ 1
<太陽写真>
撮影日時 : 2006年11月9日 08:31
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ニコン D70
露出時間 : 1/2000秒
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS
(口径200mm 焦点距離800mm, F4 ※口径を4cmに絞る)
撮影方法 : 直焦点撮影
※バーダープラネタリウム社アストロソーラーフィルター(撮影用)にて減光、Photoshop-E.にて処理:トリミング、レベル調整、色調整、シャープ処理

太陽のすぐ近くを回る惑星、「水星」が太陽面の左下部分に写っています。地球と同じく、真ん丸い形をしています。

一方、画像上部には太陽面の温度の低い部分、「黒点」が写っています。黒点がひしゃげた形をしているのは、太陽が球形のため淵スレスレのところでは水平方向に近い視線で見ているからです。

それにしても、この黒点は(半暗部まで含めると)水星の何十倍も大きく、圧倒されます。惑星の水星が地球に最接近状態で写っているというのに、この写真では太陽のホクロのほうが存在感が大きいです。
太陽の全体写真は一眼レフデジカメによる直焦点撮影、囲み部分の拡大写真はビデオカメラによるコリメート法で撮りました。


【第3接触】太陽の淵に達する水星

太陽の淵に近づき、太陽面を抜けていく様子(現象のハイライトシーン)です。

第3接触
イメージ 2
撮影日時 : 2006年11月9日 09:05~09:09
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ソニー DCR HC-90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS
(口径200mm 焦点距離800mm, F4 ※口径を4cmに絞る)
アイピース : LV10mm
撮影方法 : コリメート撮影
※バーダープラネタリウム社アストロソーラーフィルター(撮影用)にて減光
※RegiStax 3 にて 16 フレームをスタック&ウェーブレット変換、Photoshop-E.にて処理

第3接触
イメージ 3
撮影データは同上
※RegiStax 3 にて 21 フレームをスタック&ウェーブレット変換、Photoshop-E.にて処理

水星 3割脱出
イメージ 4
撮影データは同上
※RegiStax 3 にて 18 フレームをスタック&ウェーブレット変換、Photoshop-E.にて処理

水星 4割脱出
イメージ 5
撮影データは同上
※RegiStax 3 にて 20 フレームをスタック&ウェーブレット変換、Photoshop-E.にて処理

水星 5割脱出
イメージ 6
撮影データは同上
※RegiStax 3 にて 12 フレームをスタック&ウェーブレット変換、Photoshop-E.にて処理

太陽面の強拡大撮影においては、惑星撮影と同じようにビデオ映像から何十枚もスタック合成すると輪郭強調に耐えうる画質が得られます。真ん丸い水星のシルエットを捉えるにはこの手法が有効に効きます。
2年前の金星日面通過でもこの手法で高解像度な反転金星像を得ることができました。次回2012年の金星日面通過は前回よりさらに発展した撮影に挑みたいです。


◇『日面通過』過去記事:
水星の日面通過【11月9日撮影】 - 2006年11月19日投稿
金星日面通過2周年記念 - 2006年6月13日投稿
◆金星日面通過 - 2005年6月8日投稿


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p2k6◇通過魂

開始日: 2005/2/9(水)