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富士山と星景・ホームズ彗星【12月6日】

富士山と星景・ホームズ彗星【12月6日】
富士山の星景写真を撮りに静岡県御殿場市行ってきました! 富士山を(地上から)見るのが夢だったのですよ。これまで静岡県は何度も訪れていますがすべて雲に覆われ富士山を見るのはことごとく惨敗。飛行機の窓から、つまり上空からはいつも見えているのですが。

御殿場は富士山の裾野に当たっているので標高は400~500mほどと、そこそこ高いです。しかし、同じ市内でも中心部より富士山に近いほうでは標高が高く、また空も暗くなると思われ、星を見る条件は富士山側が良いと思いました。

今回、静岡入りする前日に東京駅すぐ傍の某天文ショップ店長さんに富士山周辺の星景写真撮影地のアドバイスを頂きました。この日は冬型なので富士山には低い雲がかかるかもしれない、山からの風が強くて火山弾みたいな小石が飛んできて痛い、気温はマイナス確実、と、さまざまなアドバイスをいただきました。御殿場も結構市街光が明るいとのことで、バスでいける場所として「日本ランド」周辺をお勧めさせられたのですが、宿泊地である御殿場駅前のホテルから撮影に出向いたのは深夜でしたので結局、ホテルから徒歩で撮影ポイントを探しました。駅前のホテルの窓からは、市の中心部とは思えぬほど星が良く見えていたので、まずはホテルの窓から楽々天体撮影できてしまいました^^。赤道儀は持ってきていないのでもちろん固定撮影。適当に富士山方面を撮ったら、まるでマゼラン雲のような巨大な星雲状のものが写りました。そう、これが

【星景】ホテルの窓から捉えた

富士山とスバルとホームズ彗星
イメージ 1
撮影日時 : 2007年12月6日 02時56分
撮影地 : 静岡県御殿場市 / カメラ : ニコン D70
露出時間 : 124秒 / レンズF値 : F3.8
レンズの焦点距離 : 22.00(mm) / 撮影方法 : 固定撮影


緑色の矢印をつけた先にあるボワッとした天体が、拡散したホームズ彗星です。もう満月以上の広がりがあるはずなので、恐らく中央部分のみが写っているものと思います。一方、左側にある青白いものはM45・スバルです。富士山や地平線付近は話に聞いたとおり市街光が酷く、富士山も光害に負けて写りが淡かったので、画面下部のコントラストを上げています。

こうして駅前から撮影すると御殿場市内の光害は顕著ですが、空の上のほうは急激に暗くなります。2分間の露光では、スバルのあるあたり(中天)では全然カブッていませんね。


【星景】ホテル近くの田園にて

箱根から昇る月と金星
イメージ 2
撮影日時 : 2007年12月6日 05時08分
撮影地 : 静岡県御殿場市 / カメラ : ニコン D70
露出時間 : 30.00秒 / レンズF値 : F3.5
レンズの焦点距離 : 18(mm) / 撮影方法 : 固定撮影

ホテルのフロントの人に「歩いていける距離で明かりがなく暗い場所」がないか尋ねると、国道138号線沿いにしばらく行くと田んぼばかりで見晴らしが良いそうな。その情報を元に138号線沿いに行ってみることにしました。外に出ると畑は霜がびっしりで身を切るような寒さ!。この日の御殿場の最低気温は-2℃、九州者には(ry

というわけで、写真は東の方向、箱根の山々と昇る月と金星です。下にあるのが月で、逆三日月のような形をしていますが、長時間露光していますので満ち欠けは判りませんね。画面右上のほうにはからす座の四角形の並びが見えています。月の左下には飛行機の軌跡も写っています。レンズに取り付けるフードを忘れたので少々ゴーストが入ってしまっています。田舎の夜明け、というのどかな雰囲気が伝わってきていい感じですね。

その後、国道138号線沿いに行くと、教えてもらったとおりに星の撮影に最適な見晴らしの良い田園がありました。月明りがありませんでしたが、皮肉にも138号線沿いの外灯や車のライトが照明効果となり、風景と星を一枚に収める事ができました。ですが人工光の色です。


浅い角度で沈むオリオン座と富士山
イメージ 3
撮影日時 : 2007年12月6日 05時28分
露出時間 : 30.00秒 / レンズF値 : F3.5
レンズの焦点距離 : 18(mm) / 撮影方法 : 固定撮影

九州人が東日本へ旅をすると、まず日暮れが早くてビックリします。次に、夜になると北極星の位置が高く、さらにオリオン座の沈む角度が浅くて「北のほうにきたんだな」と実感します。地元ではオリオン座はもっと横倒しに近い状態で沈んでいくので、この光景は特に印象に残りました。あと、地平線近くまで星がびっしりで、富士山の裾野すぐ上にも星がびっしりです。それから、富士山は細い月と金星の光のおかげか、真っ黒ではなくうっすらと見えていますね。


これぞ念願の富士山星景! でも三脚が折れて・・
イメージ 4
撮影日時 : 2007年12月6日 05時41分
露出時間 : 57秒 / レンズF値 : F4.5
レンズの焦点距離 : 70(mm) / 撮影方法 : 固定撮影 (地面に直接置く)

ようやく富士山と星の写真を撮れる撮影場所を見つけ、さて、これから薄明(空が青く薄暗い)の富士山を撮ろう、と思ってカメラを三脚にセットして縦構図を決めようとしていたら、なんとこんな肝心な時に三脚の雲台がバキッ!と音を立てて折れて逝きました・・。何十秒間も露出するため、三脚なしでは撮れないのですが、悔しいので諦めきれず、霜の降りたあぜ道の地面にデジタル一眼を置いて適当な硬いものをレンズ下に敷いて撮ろうとしました。
イメージ 5

しかしファインダーが覗けないので構図が決められず、適当に富士山の方向に向けて試し撮りするとズーミングしているので空か地面のどちらかしか写らない始末・・。テスト撮影を何度も繰り返していると、だんだん空が明るくなり、富士山も天気も最高のコンディションだというのに、そのまま夜明けに見舞われてしまいました・・。この安物三脚め。


月と金星
イメージ 7
撮影日時 : 2007年12月6日 05時55分
露出時間 : 10秒 / レンズF値 : F4.5
レンズの焦点距離 : 70(mm) / 撮影方法 : 固定撮影 (地面に直接置く)

地球照を伴った月と金星の接近。澄んだ寒空にひときわ美しく輝き、夜明けの清涼な気分を運んでくれました。


薄明の富士山
イメージ 6
撮影日時 : 2007年12月6日 06時10分
露出時間 : 1.60秒 / レンズF値 : F4.5
レンズの焦点距離 : 48(mm) / 撮影方法 : 固定撮影 (地面に直接置く)

富士山は2合目(?)ぐらいまで雪が被っていますね。前の日、新幹線から見たときはもう少し少なかった気がしたのですが御殿場側は雪が積もりやすいのでしょうか。そのまま日が昇って山が色づくまで、「初富士山」を存分に堪能した私なのでありました。

開始日: 2005/2/9(水)