明け方の地球照 【11月28日撮影】
明け方の地球照 【11月28日撮影】
うっすら光る月の夜
さて、いよいよ11月も終盤。めっきり寒くなって参りました。大陸からの乾いた空気に覆われるこの季節、明け方の空気の透明度は大変良く、薄明のグラデーションも一段と鮮やかです。俗に言う「星がきれい」な季節です。もちろん、オリオンやおうし座をはじめとする冬の星座の煌めきも一段と冴え渡っています。チカチカと瞬くのは大気の揺らぎの影響を受けてのものですが、冬型の気圧配置になると特に瞬きやすいものです。そんな今朝11月28日の明け方、地球照の一際冴えた月齢26、言わば「逆三日月」が見えていましたので、20cm反射鏡の直焦撮影にて狙ってみました。
月齢26の月と地球照と |
地球照とは
地球照とは、真っ暗なはずの月の夜の部分が地球の日なたにインスパイヤされてうっすらと光り輝く現象です。どういうことかといいますと、地球からの太陽光の照り返しで月の夜の部分が光り輝いて見える、ということです。つまり、月の夜の地域に地球上の昼の明るさが反映されてうっすらと光る、ということです。我々の過ごす地球上でも、満月の夜にはうっすらと地上が明るくなりますよね。月から見る地球は地球から見る月の8倍も明るいので、こんなに明るく照らされるわけです。もちろん、これは今日に限って見られる特別な天文現象ではありません。月が細い場合はいつでも地球照が見えていますので、ぜひ望遠鏡を向けてみましょう。三日月、二日月の場合は肉眼でそのまま見てもうっすらと月の夜が見えます。
皆既日食? いいえ、普通の月です。 |
こちらは1枚目の約5倍の時間、露出をかけて撮った月です。月の昼の部分の光が強烈に表現され、ハイライト部が周囲に大きくはみ出しています。その代わり、地球照の部分が一層明るく写りました。ただし、残念なことに月が動いてブレてしまっています。通常、5秒も露出を掛ける場合は地球の回転に合わせて望遠鏡を動かす「赤道儀」という機械を駆動させます。しかし、私の赤道儀は故障につき、駆動できないのです。そのため、地球の自転によって起こる日周運動にインスパイヤされて月が動いてしまいました。
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地球ショー?フォー!p2k5 HG
HG
地球ショー?フォー!p2k5 HG
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