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17P/ホームズ彗星【11月2日撮影】

17P/ホームズ彗星【11月2日撮影】
大バーストを起こして輝き出したホームズ彗星は今夜もまだまだ推定2等級の明るさで、肉眼でぼんやりと見えていました。

そんなホームズ彗星の11月2日23時台の様子です。直焦点撮影にてR200SS(口径20cm)とデジタル一眼レフカメラにて撮影。撮れたての画像をご覧下さい。


【直焦点】望遠鏡10秒露光

17Pホームズ彗星
イメージ 1
撮影日時 : 2007年11月2日 23時29分
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ニコン D70
望遠鏡 : ビクセンR200SS (口径200mm)
撮影方法 : 直焦点撮影(F4)
露出時間 : 10秒×1
ISO設定 : 1000

前回10月31日未明に撮った画像と比べてコマが淡くなり、前回と同じ3秒露出ではコマの外側が露出アンダーとなってしまいました。そこで、今回は10秒露出で撮影。赤経微動ハンドルを地球の回転速度に合わせてゆっくり回した強制手動追尾なので星はやや歪んでいます。

興味深いのは、前回(10/31)撮影よりもコマの色が灰色(グレー)に近くなっていること。彗星特有の色(青緑色)は眼視でも写真でも確認できませんでした。そして、10/31ははっきりと見えていた核が、今夜は暗くなっていたように感じました。眼視では、コマの中央に目を凝らすとなんとか見えてくる程度。
また、今夜の彗星は面白いことにコマの背後に恒星が透けて見えています。彗星の大きなコマによる恒星食が起こっているのですね。


【直焦点】望遠鏡20秒露光

17Pホームズ彗星
イメージ 2
撮影日時 : 2007年11月2日 23時36分
撮影地/カメラ/望遠鏡/撮影方法 : (同上)
露出時間 : 20秒×1
ISO設定 : 500

こちらはISO設定を下げて20秒間の露出で撮り、S/N(画質)向上を図ってみました。こうすることで画像処理にも耐えうる素材となります。最終的に画像処理ソフトのレベル調整でさらに明るくしたので中央付近は白飛びしましたが、周辺の恒星がたくさん写り、賑やかな構図となりました。背後の恒星の色のほうが色彩豊かです(星が歪んでいるのは手動による追尾の為)。彗星のコマはやはり色がなくグレーに写っています。

今回のバースト現象の特徴とも言える、コマの大きく輪郭のはっきりした真ん丸い形は健在です。そして、今夜はさらなる変化が。コマの円周の半分がぼやけてきました。この画像では左上のほうが滲んでいるのが判ります。眼視でもその様子がはっきりと見えました。このまま尾のように棚引いていくのでしょうか。今後の変化が楽しみです。


微妙に変化する彗星

17P, 3日間の変化
イメージ 3
撮影日時、露出時間は画像中に記載。
撮影地/カメラ/望遠鏡/撮影方法 : (同上)

さて、バースト直後から次々と変化していったホームズ彗星。私の同彗星の撮影は今夜(11/2夜)が2度目でした。そこで、1度目の撮影(10/31未明)のものと並べて比較してみました。画像の向きもサイズも揃えてあるので、彗星のコマが3日間でどう変わったかが判ります。

背後の星が違うのは、彗星が移動したため。11/2のコマ内部左下にある2星はいずれも背後にある恒星です。彗星自身の変化としては、やはり色が変わったのと、やや暗くなったことでしょうか。そしてコマは少し小さくなり、右下がぼやけてきたのが判ります。


最後に星野

ペルセウス座でボールのように浮かぶ17P
イメージ 4
撮影日時 : 2007年11月3日 00時03分
撮影地/カメラ : (同上)
露出時間 : 162.10秒
レンズF値 : F5.0
レンズの焦点距離 : 70.00(mm)
撮影方法 : 追尾撮影

赤道儀にカメラを同架して、ズームレンズのズーム端で2分42秒間露出。星座線はペルセウス座の星々を結んでいます。肉眼で見上げると1.7等星のペルセウス座α星(αPer)と並んで見えるので見つけやすいです。カシオペア座を目印にしても探せると思います。
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開始日: 2005/2/9(水)