17P/ホームズ彗星【11月10日撮影】
17P/ホームズ彗星【11月10日撮影】
写真を撮ると分かりますが、ペルセウス座がすごいことになっています。
今夜、1週間ぶりにホームズ彗星を見ました。今夜は空気の透明度が高く天体撮影に向いていました。まずは、ズームの70mmレンズでペルセウス座のホームズ彗星周辺を4分30秒間ガイド撮影。露光を終えて液晶画面に表示されたその星野写真、見て驚きました。
ご覧下さい、しばらく見ない間に彗星(コマ部)がもの凄い大きさに…。もちろん望遠鏡は通しておらず、ズームレンズのみで撮った写真です。もはや太陽や満月と同じぐらいの大きさがあるのではないでしょうか。ですが巨大化の代償として、コマは淡くなり、全光度は1週間前とほぼ同じかやや落ちた程度でした。それでも写真で撮るとコマ全体が白く写り、ペルセウス座α星よりうんと明るく見えるのですから凄いですね。ホームズ彗星は、例えるならばストⅡの波動拳のような形に写っています。手動追尾の成績が悪く恒星がブレてしまいましたが、彗星の不気味なほど真ん丸い姿ははっきり捉えられています。なんですか、あの化け物天体は…。
画像の下半分は、ちょうど1週間前の同じ星域を撮った写真をPhotoshop-E.にて比較(明)でレイヤー合成したものです。拡大率は同じなのに、彗星だけが1週間の間に2倍以上に膨れ上がったのが一目瞭然ですね。彗星らしい青緑色ではなく純粋な灰色なのでどことなく味気ないですが、尾もなく丸く浮かぶ光景は「化け物」と呼ぶにふさわしい不気味さです。続いて、今夜望遠鏡を通して撮影した画像。
前回11/3の撮影時よりホームズ彗星は巨大化した分、コマは随分と淡くなりました。淡くなるのは予想が付いていたとはいえ、ここまで暗いともはや1分以上露出をかけなくては露出不足になります。10/31の時は4秒で適正露出だったので追尾なしで撮影できたのですが、(赤道儀のモーター故障中の為)今回は根気と執念の赤経微動ツマミの手動回転による直焦点撮影で撮影しました。30秒露出でどのぐらいのツマミ回し量だと星が点に近づくか、トライアンドエラーを1時間ほど繰り返して、このようにほぼ星を点にすることができました。
さて、肝心のホームズ彗星のほうは、前回より淡くなったとはいえ前回の姿をそのまま拡大したような状態で、コマの丸いキリッとした輪郭は健在でした。やはり色味がなく、彩度をいくら強調してもコマはグレーです。コマ中心部がほんのりと明るく、その中心から画面右下よりに彗星の核が確認できます。なぜこの彗星の核は中心からズレているのでしょうか。
前回の記事の比較写真は「拡大率同じで並べた」と書きましたが、実は左側を大きくしてしまっておりましたので、改めて10/31、11/2、そして今夜11/10の3晩の彗星の様子を同縮尺で載せました。
どうでしょう、彗星が風船の如く膨らんでいく様子がよく判ります。この彗星は現在、逆に地球から遠ざかっているのに、大バーストの名残りでコマが大きくなりとてもダイナミックな光景を拝めています。こんな目まぐるしい変化を楽しめる彗星は過去にはありませんでしたので今後の変化も楽しみです。もう一度大バーストが起こったら、と期待してしまいますが、今後は多分このまま淡くなる一方だと思います。
コマの色は10/31は青緑色に写ってくれましたが、それ以降はグレーです。撮影環境によっては黄色っぽく写るようですが、私の環境では完全なグレーに写りました。
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