p2k8 blog mini

イラストを中心にその他色々紹介**天体写真はこちらに移転しました→https://p2k8-net.fc2.net/

火星 【11月18日撮影】

火星 【11月18日撮影】
11月18日 22時の火星
ざて、11月も半ばを過ぎ、地球に近づいている火星もだんだん遠ざかって参りました。視直径はすでに20秒角を割り、今ではもう18秒角台。それでも、次回2007年の火星最接近時よりも近いので、まだまだ火星最盛期は続きます。


イメージ 1
撮影日時 : 2005年11月18日 22時54分
撮影地 : 熊本県熊本市
カメラ : ソニー DCR-HC90
望遠鏡鏡筒 : ビクセン R200SS (口径200mm 焦点距離800mm, F4)
アイピース : ビクセン LV5mm (ズーミングはDVカメラによる)
撮影方法 : コリメート

※RegiStax Ver.3にてビデオ映像 161 フレームをスタック合成&ウェーブレット変換、トーンカーブ調整
(詳細データは画像中に記載)
Photoshop-E.にて処理:縦横比補正、トリミング、レベル調整

イメージ 2
撮影日時 : 2005年11月18日 22時51~56分

※RegiStax Ver.3にてビデオ映像 168, 126, 161 フレームを個別にスタック合成&ウェーブレット変換、Photoshop-E.にて3枚コンポジット合成(合計約350フレーム)
(詳細データは画像中に記載)

南中高度が高すぎて導入できない!

ざて、今秋の火星はおひつじ座で衝を迎えたため地平高度が勢い余って天頂近くまで昇り詰めるため、南中時に望遠鏡で導入しようとするとベランダの屋根に隠されてしまいます。低すぎたらベランダの柵に隠されるし、高すぎたらベランダの屋根に隠される、集合住宅ならではの悩みです。屋外まで運ぼうにも、機材が重くて狭い階段での上り下りは一苦労です。

そこで、架台の三脚をしぼめてできる限り架台がベランダの柵に近づけたら、R200SSのファインダーからは火星は見えないものの、鏡筒の斜鏡を覗いて火星の光を導入し、屋根による遮光率20%ぐらいで火星を導入できました。今回の画像は、そうして苦労して撮影した南中時の火星です。


北極を覆っている白いものの正体は?

さて、火星の北極(火星の下部)に注目しますと、白いものがはっきりと写っています。この間読んだ天文誌の情報にインスパイヤされて解説するとどうやらこれは北極冠(ドライアイス)ではなく、極冠を覆っている「極雲」らしいです。しかし、当ブログで啄一掲載している火星画像を見てお判りのように、今月の私が撮った火星画像には全て極雲が写っているのです。通常、雲ですと気象現象ですので日によって変化があると思うのですが、もしかすると火星の北極の極雲は定常的に存在するものなのかもしれません(2003年の火星にはこんなにはっきりした雲は見られませんでしたが)。一方、画像の向かって上、南極の氷は完全になくなっています。そう、火星の南半球は今夏を迎えているためです。火星の世界でも今、北半球が冬なのですね。



火星の表面模様の解説

イメージ 3
Photoshop-E.にて上画像をモノクロ化、解説文字挿入

さて、火星の表面模様に注目しますと、今回の火星面では一番濃い模様「大シルチス」が右端に見えていますね。火星は左方向に自転していますから、あと1~2時間経てば大シルチスが正面まで回ってきます。一方、横長い「キンメリアの海」が火星中央に見えています。

もちろん、海とは言いますけれども、水が広がっているわけではありません。火星の模様を名付けた人が周りより黒い部分を「海」として名付けたに過ぎません。但し、火星上には本当にH2Oの水があり、何十億年か前までは本当の海が広がっていた可能性がある、という探査結果が出ていますので、興味深いです。なお、火星の北極には二酸化炭素の氷だけでなく水の氷もあるらしいです。


----------
実はキンメリア人p2k5

開始日: 2005/2/9(水)