手動追尾によるオリオン大星雲【12月11日撮影】
手動追尾によるオリオン大星雲【12月11日撮影】
今夜は放射冷却が強まり(空の)透明度が高いので、オリオン座にある散光星雲「オリオン大星雲」の撮影に挑みました。はいここで機材情報。赤道儀はありますがモータードライブがありません(つまり電動追尾不可…)。よって、地球の回転とハンドルの回転で星の奇跡が幾重にも重なることを前提で、執念の段階式微動ハンドル回し方式手動追尾撮影に挑みました。
星の軌跡が複数出現し猫の引っかき傷みたいななってしまいましたが、これは手動追尾の結果です。南側しか見えないベランダなので「極軸合わせ」もできません。そのため望遠鏡の「極軸」をおおよそ北の方向へ向けて、写真のようにハンドルを地球の回転に合わせて少しずつ回します。この時、振動が発生しないように、また、回す量が多くなり過ぎないように注意しながら、およそ10秒に1回ずつ、ほんのわずかに画像の矢印の方向へ回します。これが今回行った撮影の手順です。
モータードライブさえあれば電動で地球の動きにあわせて追尾してくれるのですが、あいにく壊れてしまっています。そのため、今まで星雲・星団・系外銀河撮影ができなかったのです。
M42を鳥にたとえた場合の「羽根」に相当する星雲部分を明るく調整するために、4重星トラペジウム周辺は真っ白にスッ飛んでもらいました。
極軸は大雑把に北の方角へ向けただけでしたので、ご覧の通り赤経方向(地球の回転方向)ではなく
赤緯方向(日周運動の線に垂直な方向)に線が幾重にも重なっていますね。この線の数だけ、ハンドルを小刻みに回し続けた、という手動追尾の証拠が刻まれています。必死で微動ハンドルを回して地球の回転に対抗する健気な僕
赤緯方向(日周運動の線に垂直な方向)に線が幾重にも重なっていますね。この線の数だけ、ハンドルを小刻みに回し続けた、という手動追尾の証拠が刻まれています。必死で微動ハンドルを回して地球の回転に対抗する健気な僕
こちらはレベル調整で白飛びしないようにシャドウ側だけ持ち上げてみました。しかし、構図全体が縦方向にかなりの量流れてしまっていますので、かなり見苦しいM42のアップ写真(トリミング)となりました。
トラペジウムがゴソゴソ動いて星雲からの脱出を試みようとしているように見えて気持ち悪いです…。
それでも私個人的には初めてのまともなHⅡ領域の撮影でしたので大満足でした。赤外カットフィルターで青くなりがちなHαの星雲色(赤)を画像処理でもってカバーしてみました。今までずっと月惑星や星野ばかりでしたので星雲・星団・銀河撮影は夢だったのです。来年は早いうちに赤道儀ユニット一式を買い替えて本格的な星雲撮影を始めたいものです(去年も言った様な…)。
◇過去記事
・オリオンの華【12月28日撮影】 - 2005年12月28日投稿
・【2005年】未公開天体写真 part1(M42) - 2005年12月31日投稿
・【直焦】M42オリオン大星雲 【ノーガイド】 - 2005年10月1日投稿
・オリオンの華【12月28日撮影】 - 2005年12月28日投稿
・【2005年】未公開天体写真 part1(M42) - 2005年12月31日投稿
・【直焦】M42オリオン大星雲 【ノーガイド】 - 2005年10月1日投稿
----------
p2k6◇天体撮影LV13
p2k6◇天体撮影LV13