73P/SW3彗星(B核&C核)【5月5日撮影】
73P/SW3彗星(B核&C核)【5月5日撮影】
シュワスマン・ワハマン彗星の分裂核
分裂彗星73P/シュワスマン・ワハマンですが、5月5日午前1時台に初めて撮影に成功しましたのでご紹介しましょう。同彗星は細かい分裂核まで含めると現在なんと40個近くにもなっていて、星図ソフトステラナビゲータで表示すると、うしかい~こと座にかけて、ものすごいことになります。とはいえ、分裂核のほとんどが現在15~17等級なので、「編隊飛行」の様子は撮影対象にはなりません。なので、観望対象・撮影対象は明るい分裂核2~3個のみに限られるでしょう。さあ、最接近まであと8日です。【今時?】手動で6分間のガイド撮影
今回撮影した画像は、赤道儀に望遠鏡鏡筒とデジタル一眼レフカメラを同架して、望遠鏡で適当な恒星をガイド星として中倍率アイピース視野内に導入、露出時間の6分間手動で赤経微動ハンドルを慎重に回しつつ追尾した執念の「ガイド撮影」作品です。通常、ガイド撮影はモータードライブによる電動追尾で行いますが、私は生憎モータードライブ(機械)が壊れており、手動追尾を余儀なくされたのです。全て手動のため、追尾精度はよくありません。5~10秒おきに日周運動の移動分をハンドルを回して修正する為、星像が少しピンボケしたように写ってしまいました。シュワスマン・ワハマン彗星【B核】 |
B核は北天一の球状星団「M13」のすぐそばにいました。最新の情報によると、B核は6等級となっています。市街地からの撮影なので光害などで空の条件は良くなく、カメラのISO感度も最低に設定しています。それでも、追尾無しの1分前後の露出画像と比べると、写る星数が全然違います。極限等級は8等級ぐらいまでいきそうです。そのおかげで、私にとっては撮影できないはずの6等級を移しこむ事ができました(画像内に彗星を見つけた時は嬉しかったです)。これもガイド撮影による長時間露光の恩恵ですね。ただ、ご覧の通り大変淡く、彗星コマ特有の青緑色は出ていません。
シュワスマン・ワハマン彗星【C核】 |
C核は分裂核の中で最大級の明るさです。B核よりもずっと先のほうにいます。C核もB核同様6等級と出ているのですが、画像を見ても明らかにC核のほうが写りが良いです。尾を伸ばすC核の様子がはっきりと写っています。
B核・C核それぞれをトリミングして並べてみました。今回の撮影では肉眼で目印の星座を確認できず、彗星の導入が難しいので、レンズのズームは最大まで拡大していません。拡大率が乏しいですが、尾を伸ばす彗星の姿が捉えられました。
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p2k6◇手動追尾魂
p2k6◇手動追尾魂