皆既月食【8月28日撮影】
皆既月食【8月28日撮影】
地球の影の中にいる、赤銅色の満月です。今夜の皆既月食は、最初の頃は雲に隠されていて見られませんでしたが、突然雲間から顔を出していきなり赤銅色の満月と対面しました。2000年7月以来、7年ぶりにまともに見る皆既月食…。本当に幻想的でした。
さて、今回の画像の向きは、肉眼で見上げた状態の月の向きで載せました。向かって上が地球の影の中心方向でより暗く、下のほうが明るくなっています。この頃、この薄暗くなった月面上では地球による「日食」が見えているはずです。そして、そのときの地球は赤く鈍く輝いて見えているはずです。
この画像は、ノーガイド撮影です(赤道儀による追尾はしていません)。その為、露出時間は1秒に切り詰めましたが、直焦点撮影では本当に月が暗くて真っ暗になってしまいました。その為、明るくする為にISO感度を無理して最大の1600まで上げ、その代わり9コマ連写してコンポジット合成することでS/N比を補いました。そうして撮影&画像処理して仕上げた、苦労の1枚です。影の外側に近いところでは色合いが青っぽくなっていて美しいですね。
今回、一番美しかったのが皆既月食が終了する頃。この写真は、皆既食が終わって4分後。画面向かって右上のほうから太陽の光が戻って月面の闇が終わろうとしています。
地球の影の中の満月の色に注目です。影の外側に近いほうでは、青っぽくなっています。この青色って、地球の青い光の影響?と思いましたが、月面から見上げる地球は「新月」状態なので地球の青い光は届きませんね。ともかく、赤、黄色、青と様々な色合いが織り交ざっていて、大変美しい皆既月食でした。